「ね、兄様……兄様。ごめんなさい………ごめんなさい。赦して………ねね………」

「ん……っ」

ほろほろとこぼれるカイトの涙を、がくぽはちゅっちゅとくちびるを窄めて吸う。伸ばした舌でてろりと目尻を舐め、頬を辿り、赤く染まった鼻に牙を立てた。

うちのおとーとは、ちょっとウソツキです→

リビングでの茶番がなんとか収束したところで、がくぽはカイトを抱き上げ、兄の部屋へと運んだ。

今日の場合、がくぽが甘えたくなったというより、兄だ。収束させたとはいえ、非常にご傷心に見えたのだ。

案の定で、ベッドに転がしてちょっとばかりあやしてみると、カイトはすぐにぼろぼろほろほろと涙をこぼした。

「もうしませんから、兄様………がくぽのこと、嫌いにならないで………」

「んっ、がくぽっ」

大人しくベッドに転がり、伸し掛かる弟に慰められていたカイトだが、この嘆願には暴れた。自分よりずっと大きく逞しいがくぽの胸をぎゅいぎゅいと押しやりながら、きっと睨む。

困惑した表情だが、離れたくないと逆に力をこめて抵抗する弟に、カイトは涙声を吐き出した。

「キライになんて、なんないのっおにーちゃんっ………がくぽのこと、ぜったいぜったい、キライになんてなんないっ……!」

「兄様……」

怒られて、しかしがくぽは表情を緩めた。

そうだ。

兄は決して、がくぽを嫌わない。がくぽがなにを求め、どうしたところで、この兄は必ず、愛してくれる。

「ごめんなさい、兄様。がくぽが浅はかでした……」

「そーだよ、がくぽ……反省がたらないんだから……っ!」

「はい、兄様」

先よりもうきうきと弾んで、がくぽはカイトの顔にキスの雨を降らせ、涙を啜る。染まる肌を舐め、熱を持つ耳朶をくちびるに含み、ちゅくりと吸った。

「ぁ、ん………っ」

「………兄様は、がくぽの『兄様』です」

びくりと震えたカイトの耳朶を含んだまま、がくぽはささやいた。蕩けるように甘ったれた声を、兄の弱点に吹き込む。

「ゃ、ぁあ、がくぽ、ぉ………っ」

てろてろと耳を舐められ、啜られて、カイトは伸し掛かるがくぽに縋りついた。堪えても堪えても、体がぷるぷると震える。芯に火が灯って、馴らされ躾けられた下半身が、勝手にもぞついてしまう。

「ぁう……っ」

「ね、兄様……だから、兄様………兄様は『兄様』なんですから、がくぽのこと、甘やかしてください……兄様のおとーとの、がくぽのこと………いっぱいいっぱい、甘やかして、甘えさせてください………」

「ひゃう………っ」

もぞつく下半身に、がくぽが己の下半身を擦りつけて来る。負けず劣らず、勝る勢いの感触に、カイトは陸に揚げられた魚のように跳ねた。

涙に潤んだまま、反射的に下へと目を向ける。伸し掛かるがくぽと密着していて、確認したいものはほとんど見えない。

見えないが、押しつけられるものの感触ははっきりしていて、強い。

「ぁ、がく、ぽ………」

「はい、兄様」

怯えと熱を含み、戸惑いながら呼ぶカイトに、がくぽはうっとりと笑った。腰に手を回してさらにきつく押しつけつつ、一度は離した耳朶に、再びくちびるを寄せる。ねっとりと舐めてから、ちゅぷりと音を立てて含んだ。

「ふぁぅっ」

「兄様、がくぽのこと、甘やかしてくれるでしょう『兄様』なんですから……がくぽのこと、とろとろに甘やかしてくれますよね?」

訊いているようだが、命令であり、確信だ。がくぽは兄が弟の自分を『甘やかす』ことに、疑いがない。

そして兄も兄で、弟に甘えられると断れなかった。弟ほど確信はないのだが、つまり、きょうだいってここまでするものだっけという、そこはかとない疑問が常に付きまとっているからなのだが、明確な拒絶には至らない。

なによりも、甘やかせと強請る弟に、すっかり馴らされた体がある。おそらくカイトは元から快楽に弱いが、がくぽはその体の『開発』に、一切の容赦を加えなかった。

そこはかとない疑問はあれ、確信も薄いが、体は熱を持って疼き、弟を求める。

堪える術は、誰も教えてくれなかった。

だからカイトは、がくぽに手を伸ばす。足を絡め、下半身を擦りつけ、首に回した腕で引き寄せ、間近で見ても瑕疵のない美貌に、そっとくちびるを当てる。

「ん、がくぽ、がくぽ……甘えたいおにーちゃんに甘えたい、がくぽ……甘やかして、ほしい……?」

躊躇いつつも蕩ける声に訊かれ、がくぽはにっこりと笑った。無邪気な笑みだ。体の反応と、そぐわない。

わずかに顔を離して兄と見合うと、がくぽは笑みと同様、こっくりと素直に頷いた。

「はい、兄様。甘えたいです」

「だめです」

「ええっ?!」

ついさっきまで、とろんとろんに甘く蕩けていたくせに、カイトの答えは無慈悲も極まった。

衝撃に空白を晒したがくぽに、カイトはぷいとそっぽを向くと、つぶやく。

「ウソです」

「えええーっ………」

まだ続いていたのか。

というより、先に虐め過ぎたせいで、兄のおへそはまだ、曲がったままだったらしい。そうそう易々と機嫌を直せるようなネタではなかったということだが、そもそもの初めを辿れば、

「兄様から始めたのに………っ」

――いい加減、理不尽も極まる。

四月一日だからと、どうしても正直に嘘をつかねばならないわけではない。正直に嘘をつくというのがもう、なにかの本末転倒ぶりを表しているが、それが今日のカイトだった。

嘘をついたのはカイトからで、挙句にがくぽは、嘘をついたらだめだとその兄に怒られた。

それでも懸命に謝ってあやして、受けるこの仕打ち。

「にぃさま………っ」

「ぅ……」

さすがに恨みがましさが募ったがくぽに睨まれ、カイトは微妙に気まずい表情を晒した。ぷいとそっぽを向いたまま、視線だけちらりと、がくぽに寄越す。

「嘘ついたらいけないって、がくぽに言いました」

「……はい」

「がくぽはいっぱい、謝りましたよね」

「…………はぃ」

「兄様は?」

「……………」

拗ねた弟にきびきびと指摘され、カイトは口を噤んだ。くちびるに指を当て、爪を噛むようなしぐさをしてから、目元を染めて視線を投げる。

なぜ羞恥かと花色の瞳を尖らせた弟に、とてもかわいい兄は、熱の篭もった声を吐き出した。

「おこった?」

「………」

甘ったれだが、がくぽは敏い。訊く兄が本当に言いたいこと、がくぽに求めることを、言葉にされずとも掬い上げた。

つまり。

「兄様、がくぽを怒らせて、虐められたいんですか……」

「ぅっ、ちがっ、ちがうもんっ………っ」

呆れたようにつぶやいたがくぽに、カイトはふわわと全身を朱に染めた。図星だ。

弟を甘やかしたい延長なのか、それともきょうだいであることの戸惑いを誤魔化したいからなのか――カイトはがくぽに少々、乱暴に扱われることを好んだ。

がくぽもまた、我が儘に振る舞うことに躊躇いはないが、大好きな兄相手だ。それなりにやさしく扱いたい。

が、兄はやさしくすると、もっと『甘え』ろと言って、結果的に乱暴を強請る。

諸々折り合いが難しいのだが、とりあえず。

「それも嘘ですね、兄様。兄様、がくぽに虐められるの、好きですよね虐められて感じちゃう、淫乱ですよね?」

「ちがぁ……っ!」

重ねられたがくぽの言葉に、カイトは涙目で抗議した。実際、カイトの感覚では『違う』からだ。

『虐め』られるのは好きではないし、淫乱でもない――ただ、弟に思うさま『甘え』られるのが好きで、『我が儘放題』されたいだけなのだ。

が、それをがくぽの言葉に直すと、

「そうですね。違いますね。今度は本当でしたね、兄様………兄様、淫乱じゃなくて、ど淫乱ですよね。ただの淫乱じゃなくて、『ど』がつく淫乱なんでした……。がくぽとしたことが、大好きな兄様のことなのに、うっかり間違えました」

「どっちもちがぁああうぅう……っっ」

兄としての威厳もなく、べそ掻き声で否定したカイトを、がくぽは瞳を細めて見た。わずかに体を浮かせると、己の着物を緩める。

「へえ。………そうなんですか、兄様?」

「ん……っ!」

滴るような声で訊かれ、カイトは堪えようもなく、ぶるりと体を震わせた。

いつもの甘ったれではない。欲情している声だ。誰といって、カイトを相手に――

緩められて覗く肌に、晒される体つきに、ずぐりと疼く腹がある。切なく蠢き、求める熱が。

「そ、そぅ……だもっ。ど、どっちも、まちがい………っ」

「兄様、あんまり嘘ばかりつくと、がくぽがお仕置きしますよ?」

「ウソじゃな……っ、ふぁ、あっ!」

無駄に足掻くカイトの虚勢は、嬌声に呑みこまれた。

兄が折れるのを待たずにがくぽの手が素早く動き、カイトの下半身からスラックスを抜く。諸共に下着も脱がされ、篭もる熱が逃げて束の間、カイトはすっとした冷気を感じた。束の間、一瞬のことだ。

解放されたと見えたカイトの性器はすぐに熱を持つ手に掴まれ、きつく捻り上げられたと思ったら、より以上にねっとりと熱い、がくぽの口腔に含まれる。

躊躇いもなく兄の男性器を含んだがくぽは、咥えるだけでなく、熱心に味わい、嬲った。

「ゃ、ぁ、あ………っぁ、がく、がくぽ……っ!」

絞り上げられ、舐めしゃぶられ、カイトは背を仰け反らせて首を横に振った。快感が大き過ぎて、逃がしきれない。すでに下半身はがくがくと、最後の痙攣に至っている。

「ほら、兄様……淫乱だって言われてただけで、こんなにして………がくぽがしゃぶって差し上げる前からおしるもこぼして、とろとろでしたよいいですか、兄様。がくぽが今、おしゃぶりしたせいじゃありませんからね。する前から、とろんとろんです。これだと、あとでちゃんと下着、洗わないとですね」

「ゃあぁん……っ」

責められながら、熱心に雄をしゃぶられ、嬲られ、カイトは全身にかっと熱が走るのを感じた。

恥ずかしい。下着を汚したと指摘されたことも恥ずかしいし、弟に性器をさらし、あまつさえ嬲られていることも、すべてが恥ずかしい。

「やだぁ、がくぽ………っ」

「はい。また嘘。兄様、ワルイコですね?」

「ひゃぁんんんっ………っっ」

詰るがくぽの口に一際強く吸われ、同時に後ろの窄まりに指を押しこまれ、カイトは堪え切れなかった。大きく震えながら、達してしまう。

がくぽは後孔を弄りつつ、殊更にじゅるじゅると音を立てて兄が放つものを啜り、呑みこんだ。

吹き出す勢いが弱まってからも、がくぽはきつく吸い上げることで最後の最後まで絞り出し、再びカイトの体に火が灯るまで、しつこくしつこくしゃぶる。同時に、これから己の雄を捻じ込む予定の場所も指の本数を増やして拡げ、垂らす唾液でしとどに濡らした。

「がく、がくぽ………っ」

「『ごめんなさい』は、兄様がくぽにいっぱい嘘言って、ごめんなさいって………がくぽは兄様に、謝りましたよ、ちゃんと。で、兄様は?」

「ぅっ………」

休む間もなく立て続けに勃起を促され痛いと、容赦を乞うカイトに、がくぽは愉しげに促してきた。どうやらこれは、いつも通りに甘えているわけではなく、『お仕置き』の一環であったらしい。

甘えと愛撫とお仕置きと、まったくもって区別が難しいが、それにしても気持ちのいいお仕置きもあったものだと――

「まっ、まちがぃっ、まちがぃ………っ」

「兄様?」

「ぅ、ぅううっ!」

――カイトも一応、自分にも非があったとは思っている。それにカイトは弟に甘い兄だ。謝ることに、それほど抵抗があるわけでもない。

しかし物事にはなんでも、タイミングというものがある。

こんなふうに、体を盾に取られているようなときに、――

謝ったら、なんだか本当に淫乱のような。

してほしいあまり、先を急くあまり、目先の快楽に負けて謝ったような印象に、なりはしないか。

「兄様、言えないんですかごめんなさいって。『兄様』なのに、兄様……。弟にちゃんとお手本、見せられないんですね?」

「ちがっ……っ!」

がくぽが示した方向に、カイトは焦った。

がくぽはこのまま体を盾に取り、もどかしい快楽を伸ばすことでカイトの妥協を探ると思っていたのに、まさか『兄の矜持』を突いてくるとは。

「あ、あやまれる、もんっ………がく、がくぽ………っぅ、ぇぅうっ」

カイトは勢いよく口を開いたものの、ぱくぱくするだけで肝心要の謝罪の言葉が出ない。どうやら『嵌まって』しまったようだ。

「………兄様のおくち、いつもは素直なのに……」

どこか呆れたようにそんな兄を眺め、がくぽはやれやれと肩を竦めた。未だ奥所に埋め、弄んでいた指をずるりと抜く。

「だめ、がくぽ………っ」

抜かれたくないと、きゅっと締まった場所に、がくぽは笑った。無邪気さの落ちた、雄の笑みだった。

ちろりとくちびるを舐めると、がくぽは緩めていた着物から、兄の媚態だけで兆したものを取り出す。カイトの足を掴むと、大きく割り広げた。

「仕様がないですね、兄様。素直な兄様が、もっともっと素直になること、がくぽがして差し上げますから………ちゃんとがくぽに、ごめんなさい、してくだいね?」

「がくっ、ぁ、ふぁ……っ!!」

制止の言葉も聞かず、がくぽはカイトの腹に漲る雄を押しこんだ。驚いた粘膜が、食い千切ろうかという強さで締め上げて来る。

しかしほんの少し間を置いただけで、待望のものが来たのだと悟った体が、勝手に緩み、逆に奥へ奥へとがくぽを誘った。

「ほんと、素直な兄様………」

「ぁ、あ、ぁぅ……っぁあ………っ」

愉しげながくぽの感想は、衝撃を堪えることに懸命なカイトの耳には届かない。

仰け反りながらひくひくと痙攣するカイトが、多少なりとも落ち着くのを見計らってから、がくぽはゆっくりと腰を動かし始めた。

「ふぁ、あ、がく………っ」

ずるりと抜かれ、押しこまれる感触に、カイトは泣いているような声を上げる。腰が動きに合わせ、自然と揺らめいた。

何度か突いてやって、カイトの頭が抵抗を忘れて快楽に染まったことを確かめてから、がくぽは屈んだ。赤く染まる耳朶を口に含むと、どろりと蕩けた声を吹き込む。

「兄様、兄様……謝って、兄様……がくぽに。ごめんなさいって。今なら、言えるでしょう………?」

「あ、がく……がく……ぽ……?」

ぶるりと首を振り、カイトは毒の声から逃げようとする。逃がしてやるがくぽでもなく、くつくつと咽喉奥で笑うと、さらに深く、強く、兄の腹を穿った。

「ひゃぁあうっ!」

「謝って、兄様。『ごめんなさい』。言えるでしょう今なら素直に、言えるでしょう……ごめんなさいって。だって兄様、いっつも素直ですけど、がくぽとしてるときがいっちばん、素直ですもんね?」

「ぁ、あ、がくぽ………がくぽ……っ」

突っ張るほどに腕を伸ばし、ようやく縋ったがくぽの背にきりりと爪を立てたカイトは、あえかな抵抗を示して首を横に振った。

しかしがくぽは容赦せず、腹の中でも、ことにカイトが弱い場所を突き上げる。突き上げておいて、カイトが達する寸前で、外す。

「やぁあん、がくぽ………っがくぽ、がくぽ……っ」

そうでなくともカイトは快楽に弱い。焦らされてぼろぼろに崩れ、それ以上耐えることは出来なかった。

嬌声をこぼすくちびるがおそれ震えて、上から愉しげに眺める弟へ、吐き出す。

「ごめんなさぁいぃ………っ」

天へ投げる言葉は自分に返り、カイトはびくびくと痙攣した。腹の中を掻き回す弟を、きつくきつく締め上げる。

衝撃に耐えてきゅっと目を閉じると、カイトは再びくちびるを開いた。

「がく……っ、がくぽ………がくぽ、ごめんなさい……ごめんなさぃい……っ、おにぃちゃん、ウソついて……ワルイコで……ごめんなさい……っっ」

「にぃさま………っ」

締め上げのきつさに、がくぽが呻いた。苦しげだが、満足の色もある。

がくぽは屈むと、兄の耳朶にくちびるを寄せた。

「兄様、もっと……もっと。もっとがくぽに、謝って……ごめんなさい、して………。すごく、いい……兄様のおなか、ごめんなさいするたびに……きゅうきゅうして。がくぽの、きゅうきゅうって、いっぱい締めて……堪りません」

「ゃ……っ」

陶然と崩れた声を吹き込まれ、カイトは震えた。感覚が追い上げられ、達する。しかしがくぽは堪えると、ゆっくりカイトの腹を掻き混ぜ、再びさらなる謝罪を強請った。

惑乱が募り、カイトの瞳からはぼろりと涙がこぼれた。

弟も『いい』かもしれないが、カイトもだ。謝罪の言葉をこぼすたびに、体を、心を侵す感覚がある。

堪らない――耐えられない。我慢出来ない。

「ん、ごめ……ごめんなさい、がくぽ………がくぽ、ごめ………おにぃちゃん、インランで……がくぽにおなか、ぐちゅぐちゅにいぢめられるの、だいすきな、インランで………ごめ、なさ………っ」

快楽を貪るように、カイトはくり返した。くり返すほど、感覚は募っていく。限界が知れず、けれど限界で、限界を超えている。

「にいさま………っ」

「ふぁあっ、おなか………っ、あつい、がく………っっ」

貪欲に蠢き絞り上げてくる粘膜に堪えきれず、がくぽはカイトの腹に欲望を吐き出した。

「っ、つ……っ」

勢いもだが、自分で考えても量が多い。

がくぽはきりりと奥歯を噛みしめてきつく眉を寄せ、過ぎる快楽が治まるのを待った。

「……良過ぎです、兄様。がくぽの、痛いくらい出ましたよ……」

ややして放出も収まり余韻も落ち着くと、がくぽは疲れたようにカイトへ体重を預け、ぼやいた。

「ああ、勿体ない………もう少し兄様のごめんなさい、聞きながらしたかったのに……」

続くつぶやきが、非常にアレだ。

それでも重みは掛けても潰さないようにと、疲れ切ってもぎりぎりのところで調整してくれている弟を抱きしめ、カイトは瞼を下ろした。

掛かる弟の重みと熱に、くちびるから吐息にも似た甘やかな声がこぼれる。

「ん。ごめん、ね。がくぽ………」