ぴーかんお天気。
こーいう日は、おふとんを干すのです!!
おひさまおふとん、ごかい
「なんだってばあ!!」
「あら、そうなの?」
「(゜_゜)」
叫んだ俺に、正座して相対した上弦と下弦は顔を見合わせた。子供らしい、ふさふさというよりはふわふわしたしっぽを、ぱったんと振る。
耳もぴるぴると振ってから、俺に顔を向けた。
「十六夜ったら、おふとん持って屋根に上がってはお昼寝してるから、よっぽど気持ちよくって気に入ったんだわって」
「(-_-)」
「たしかに気持ちいいから、好きだけど!」
そこは否定できない。
でも、ちがう。
俺がおふとんを持って屋根に――それも自分のおふとんじゃなくて、わざわざ朔のおふとんを持って屋根に上がるのは、お昼寝するためじゃない。
おふとんを干して、朔にふかふかほかほかのお日さまおふとんを上げたいから。
まだちっちゃいのに、いつもいっぱいお仕事して疲れてる朔に、気持ちよく寝てほしいから。
「(゜Д゜)」
「まあ、そうね。下弦の言うとおりよ。ボクもヘンだとは思ってたわ。持ってくのが、わざわざ朔のおふとんだし」
「そうでしょ?!」
勢い込んで身を乗り出した俺に、上弦と下弦は軽く肩を竦めた。
「<(゜×゜)>」
「って、ど、どうせ十六夜だからって、なに、下弦?!」
下弦にきっぱり言われて、俺はびびびっとしっぽを立てる。
ぼわわっと広がった毛を眺めながら、上弦がうなずいた。
「だから、『どうせ十六夜』じゃない?屋根でお昼寝は気持ちいーけど、大好きな朔のおふとんで寝たら、もっと気持ちいいんじゃない?!――とか、思ったんだろうなって」
「そ、それがどうせ俺なの?!」
そりゃ、俺は朔のことが大好きだし!
そこは否定しない。
しないけど、だからって言って、お昼寝のために朔のおふとんを勝手に持ち出したりなんて――
「……………………しない、かな…………………?」
「あら、自信なくしたわ」
「(-Д-)」
「そう言わないのよ、下弦。『好き』って時として、神さまのこころも弱くするわ」
「(・_・)」
なんか好き勝手いわれてる――けど。
「と、とにかく!俺は、おふとんを干したいの!お昼寝しに来てるんじゃないんだから!だから!!」
俺は懸命に背筋を伸ばして、上弦と下弦、そしてさらに屋根を見渡した。
屋根の上に思い思いに集まった、上弦下弦に蝕、四神、ここにゃーの一族、それに地獄のうまにくのひととうしにくのひと――
「あつまらないでぇえええ!!」
俺は半ベソ状態で、叫んだ。