ルーズ・コントロール

ひょい、と身を屈めてキス。

「っ」

不意打ちに驚くこいつの顔は、いつ見ても愉しい。

俺よりちびっちゃい(背だけの話だ!)こいつに、押し倒されるわ、喘がせられるわ、やりたい放題されている現状に、ちょっとやり返した気分。

「ちびにはマネできねえよな、これ♪」

なんせ頭ひとつ分、背丈が違う。

こいつが爪先立っても、俺の口に届くか届かないか。

鼻唄をうたう俺に、目を丸くしていたヤツがにやりと笑った。

「そうでもない」

「へって、わっ?!」

唐突に胸倉を掴まれるや、物凄い力で引き寄せられる。

堪えきれずに屈んだ俺に、ちゅっ、と……………………

「おまえ、俺が引き寄せるの、ぜったいに拒まないからな」

目を見張る俺に、自信満々のお言葉。

いや、拒む拒まない以前に、拒める力の強さじゃないっていうかなんていうか、ええと、つまり。

「たまには俺に負けてあげろよ、おまえ……………」