「ふ………っぁあ………っ」

脱力する体を、がくぽはそっと床に横たえる。

うちのおとーとは、とっても初心です→

力なく放り出されているカイトの足の間に座ると、がくぽは下半身へと屈みこんだ。

「ぁ………っにーに…………っは、やぁ…っ」

濡れそぼるものを、がくぽは躊躇うこともなく口に咥える。残滓を吸い上げると、しなだれたものに丹念に舌を這わせ、咥えて扱き、愛撫を施した。

一度達したばかりだ。性器は敏感さを増し、そしてがくぽの口淫は巧みだった。初心で奥手な弟が、抗しきれるわけもない。

「ぁ、にーに………っは、ぃぅう……っゃ、また、きちゃう………ぁ、も、きちゃぅ……だしちゃう、にーに……っ」

悲鳴にも似た甘い声を上げ、カイトは腰を跳ね上げさせた。

がくぽが先端に舌を押しこみ、きゅ、とくちびるを窄ませて締めてやった瞬間、カイトは堪えることも警告を上げることも出来ずに、二度目の精を放ってしまう。

口の中に間歇的に吹き出すものを、がくぽはこぼすこともなくすべて飲みこみ、最後までしつこく啜り取った。

「ひぃ………ぃ、ん…………ふぇ………ぇく………っ」

快楽と衝撃の大きさに、カイトはしゃくり上げた。まるで小さな子供のような泣き声を上げ、体を震わせる。

顔を上げたがくぽは、そんな弟へと身を乗り出した。

「カイト。カイトの恥ずかしいところを、口に咥えられたことは精液を誰かに飲まれたことは?」

「なぃ………っない………っにーにが……ひっく、ぁ、にーにが………」

ぼろぼろと泣きながら言うカイトの手を取り、がくぽは抜き出した自分のものを掴ませた。

「っ、にー……」

「扱きなさい。自分ので、やり方は知っているだろう?」

「ふ………っ」

カイトの手を掴んだまま、がくぽはゆるゆると自分のものを扱く。

驚きに涙が止まったカイトは、瞳を見張ったまま兄のものを撫で上げた。

「にーに…………おっきぃ………あつぃ………は、ぁ……っ」

うわごとのように覚束ない口調で、カイトは言葉をこぼす。

がくぽはくちびるを舐め、掴んだままの弟の手を軽く揺さぶった。

「カイトのきれいな手は、誰かのものを触ったことがあるかこうやって、直に扱いてやったことは?」

「………」

カイトは無言で、ふるふると首を横に振る。

見つめる無垢な瞳にこくりと唾液を飲みこみ、がくぽはカイトの手を離した。変わって横たわる顔へと性器を近づけ、くちびるを撫でる。

「口を開けて」

「……」

「カイト」

「……」

束の間躊躇ったカイトだが、再度促されるとおとなしく口を開いた。がくぽはそこに、扱かれて勃ち上がり、雫をこぼすようになった自分を押しこむ。

「ん………っんんふ………っ」

「歯を立てないようにな」

「んく……っぅ……っ」

がくぽのものは大きい。

カイトは苦しそうに瞳を閉じ、眉をひそめた。ふるふると首を振るたびに、粘膜が無意識にがくぽを煽る。

「……………誰かの性器を、口に咥えたことはあるか、カイト?」

「………」

カイトは力なく、首を横に振る。

がくぽは少し考え、カイトの口から自分をわずかに抜いて、先端だけ舐めさせた。竿を自分で扱いて硬度を増しつつ、ちろちろと先端を舐めるカイトの舌を眺める。

量を増す先走りにカイトはずっと顔をしかめているが、止めようとはしない。躊躇いながらも口の中に溜まる唾液と先走りの混ざったものを飲みこみ、誘うように音を立ててちゅうちゅうと啜る。

「カイト、イくぞ」

「っ」

短い警告からすぐに、がくぽは弟の顔に向かって精を吐き出した。

カイトの顔を白く汚したそれは、口の中にも入る。

「…っ」

きゅ、と顔をしかめるカイトに、がくぽは屈みこんだ。汚れる顔を舐めて、きれいにしてやる。

「カイト……誰かの精液を飲んだことは?顔に出されて、汚されたことは?」

「………ない………にーにが…………んんっふ…っ」

精液を舐め取りついでに、くちびるにも吸いつく。まとわりつく液体の味のキスに、カイトは首を振ってもがいた。

逃がすことなく弟の口を堪能して、がくぽは身を起こす。指を舐めると投げ出されている足の間に潜りこみ、そのさらに奥を探った。

「……っぁ、にーに………っふくっ」

つぷ、と指を飲みこませた瞬間、カイトは呆然としていた瞳に光を取り戻し、身を竦ませた。上に伸し掛かる兄に縋りつき、逃れようとするように腰を引く。

構わず中を探って、がくぽはカイトの耳を舐めた。

「ゃ、あ、にー………っ」

「入れるぞ、カイト」

「にー……?!」

瞳を見開くカイトの足を抱えると、がくぽは躊躇うことなく、そそり立つ自分を窄まりへと押しこんだ。

「ひ、ぁ、にー………!にーに、の、が………っカイトの、なかっ」

腹の中に押し入られて、カイトは仰け反って震える。中をきゅう、と締めると兄の形と大きさ、硬さをはっきりと思い知らされて、さらに混乱してしまう。

「ぁ、あ、にーに………っにーにが………っ」

「カイト……」

しばらく馴染ませていたがくぽは、ゆっくりと腰を使い始めた。強張るカイトは、足の間のがくぽの体をきつく挟みこむ。

それでもがくぽは腰を振り、弟の襞を擦り上げ、掻き回した。

「ぁ、あ、やぁ………っは、にー……っゃ、びりびりする……っぁ、からだ、ヘンなる………っ」

的確に弱点をかれて、カイトは身悶えて啼く。

「カイト………カイト」

愛おしく名前を呼びながら、がくぽはカイトの腹の中に自分の精液を吐き出した。

奥の奥のほうに腰を押しこみ、そこから中へと欲望を噴出させる。

「にーにの………にーにの、カイトの、おなかのなか………カイト………にーに………」

言葉にならなくなったカイトに、がくぽは屈みこむと軽くキスをした。入れたままの腰を、軽く振る。

「カイト………誰かに、こうしておなかの中に入れられたことはおなかのなかに性器を入れられて、掻き回されて、精液を出されたことは?」

がくぽの問いに、カイトは呆然と首を振る。

懸命に見つめるカイトの頬に、がくぽは微笑んでキスを落とした。入れたままの場所へ手をやり、ひくつく襞を撫でる。

「にー……」

「わかるかカイトは今、にーにとえっちしたんだ。にーにに、抱かれた。抱かれた以上、カイトはもう、にーにのものだ。いいな?」

「にーにの………もの?」

「そうだ」

ふる、と震えて復唱したカイトに、がくぽは迷いなく頷く。

無垢な瞳にくちびるを落とすと、投げ出された足を抱え直した。腰を軽く揺らす。

「にー……っ」

「カイトはにーにのものなんだから、『初めて』はすべて、にーにが貰う。カイトの初めては全部、にーにのものだ。だからもう、キスひとつでわあわあ言わない。にーにが貰うべきものを貰っただけなんだから。いいな?」

「……」

果てしなく欺瞞とロジックだ。

見上げるカイトに、しかしがくぽは怯むこともない。念を押すように、首を傾げた。

「カイト」

「……………カイトは………にーにの……もの」

言葉をなぞってから、カイトは中に入ったままのがくぽをきゅう、と締め上げた。

「カイトの初めて…………ぜんぶ、にーにの…………」