ペッパー入りバニラアイスキャラメルソース添え

抱き上げたかいちょが、がくぽの首に回した腕を解き、先に立つあばら家を指差す。

「しょこからね、『うやめしぁー』って、おおきい声すゆの!」

「…」

かいちょが言い終えると同時に、あばら家の前に達する。

『うらめしやぁあああああっっ』

「きゃーーーーvvv」

言ったとおりに不気味な声が轟き、かいちょは笑ってがくぽの首にしがみついた。

通り過ぎると、再びがくぽの腕の上から身を乗り出し、曲がり角を指差す。

「あしょこからね、ばたーんっておばけちゃんれてきてね、『わー』っていいながら、はしってくのー」

「……」

がくぽが曲がり角に達した瞬間。

『ぉうわぁああああああ~~~~っっ!!』

「きゃーーーーーっvvv」

絶叫とともに、矢の突き立った、頭から爪先まで全身血まみれの落ち武者が目の前を走り過ぎて行き、かいちょはがくぽの首にしがみつく。

そして以下略。

以下略。

以下r

「………………………………………かいちょ」

「なぁに?」

腕の上からわくわくと身を乗り出すかいちょを、がくぽは複雑な顔で見た。

かいちょが行きたいと言うから、入ったお化け屋敷なのだが――

「………………愉しい、か……?」

躊躇いつつ訊いたがくぽを、かいちょは暗闇にも輝くような笑顔で見た。

「うんっっ!!」

「………………ならば…………まあ……いい、……か?」

力いっぱいに頷かれ、首を傾げつつも納得しようとするがくぽに、かいちょは出口を指差した。

「あしょこ行くとね、いちろ、ばたーんっって、ドアしまっちゃうのれね、れね、おばけちゃんがね……」

以下略。