「あ」

「ん?」

冬であっても、風も穏やかに晴れた、昼休み。

陽射しがぽかぽかと暖かい屋上で並んで座り、昼食を食べ終えたところで、カイトが小さく声を上げた。

Loving & Giving

問うように顔を向けたがくぽに、カイトはにっこり笑って身を乗り出してくる。

「ん」

「………」

ちゅ、とくちびるにキスされて、がくぽは瞳を瞬かせた。

そのまま見つめるがくぽに、カイトは己のくちびるをとんとんと、人差し指で叩いて示す。

「お返しは?」

「ああ………」

煌めく瞳に吸い寄せられるように、がくぽは顔を寄せた。

伸ばした手で後頭部を押さえ、くちびるを重ねる。ただ触れ合うだけでなく、舌を伸ばしててろりと舐めた。

「ん………」

素直に開いた口に気をよくして、がくぽは舌を潜らせた。

後頭部を押さえていた手は滑って背中に落ち、腰を抱く。やわらかに、しかし厳然と膝へ招き寄せ、抱えこんでくちびるを味わった。

「ん…………く、ふ………っ、んんぅ…っは、ぁ………」

ちゅくちゅくと小さな水音を立てて互いに舌を舐め合うと、カイトの体が震えるのを感じる。

ますます煽られて、がくぽはキスにのめりこんだ。

「………………は、はふ………っ」

ややして離れると、カイトはぐったりとしてがくぽの体に凭れた。

頭がこてん、とがくぽの肩に懐いて、痺れながら笑う。

「も………おかえし、ここまでしろなんて、いってない…………」

「そうか」

互いに、微妙に舌足らずだ。二人とも、キスに夢中になった証。

自分が舌足らずなことにはわずかに背筋を怖気させつつ、がくぽは膝に乗せたカイトの髪をやわらかに梳いた。

「でなんだ?」

「ん?」

カイトは、なにかを思い出したように『あ』とつぶやき、そしてキスしてきた。

単にキスしたくなったというより、連想されることからキスを強請ったのだろう。

そう思って訊いたがくぽを、カイトは悪戯っぽく輝く瞳で見つめた。

最高に愛らしく笑って自分を指差し、ちょこりと首を傾げる。

「今日、俺、誕生日☆」