Ring A Bell of Pumpkin
「あは、あははっ!!かわいい、泣くジャックかわいい!!かわいいジャック、ジャーック………っははは!!」
「キース………っ!!」
ぼろぼろと大粒の涙をこぼしている俺に、キースは朗らかに笑う。
こいつはいっつも俺のこと、好きだとか愛してるとか言っておいて!
どうしてこんなに性格悪く育ったんだ………昔はそれこそ天使と見紛うほどに無邪気でかわいかったのに。
今や、昔の名残はその見た目の美しさだけで、中身は完璧悪魔。
「くそ、キース……っ!かわいくない………!おまえなんかもぉ、キライだ!!今度こそ、ほんとの本気d」
泣きながら喚く言葉が、途中で不自然に切れた。
切れたのは、突如零下に落ちこんだ部屋の空気のせいだ。
金縛り状態で、俺はキースを見る。
「キライ?ボクがキライって言った?ジャック……ジャぁーック…………」
「あ、ぅあ」
いっそあどけないくらいの表情でつぶやくキースに、しかし金縛り状態の俺は答えられない。
答えを得られないキースの顔から、表情が消えた。そのまま、高速で吐き捨てる。
「生きながらサタンに喰われたほうがマシって目に遭わせてやる」
「ひぎっ」
も、もぉ、ほんとにこいつやだ………!!
なんでふっつーの人間の癖に、空気冷やしたり金縛りしたり、すっごい怖いこと口走ったりすんの?!
ていうか、どうして俺は懲りもせずにこいつのことが好きなんだ…………?!