ぱたたっと廊下を走っていたカイトは、曲がり角でがくぽとばったり出くわした。
「あ、がくぽさま、今ちょうど…………んっ」
声を上げかけたところで、出会ったときの通例で腰を抱かれ、くちびるを塞がれる。
丹念に舌を吸われ甘噛みされて、躾けられたカイトの体は為すすべもなく崩れた。
このはなひめや
かくりと力の抜けた体を支え、がくぽは笑う。
「ちょうど良かった。そなたを探していたところだったのだが……」
言いながら、がくぽは手近な座敷にカイトを連れ込んだ。蕩けている体を、畳に押し伏せる。
「とりあえず、悦うしてやろう。斯様な態を見ては、堪えが利かぬ」
「あ………あの、がくぽさま…………っふぁっ」
なにか言いかけたカイトのくちびるを再び塞ぎ、がくぽは淀みのない手つきで着物を解き、肌を撫でる。
「ぁ………っ」
期待に瞳を潤ませるカイトに、がくぽはちろりとくちびるを舐めた。
「煽るなよ。少しのつもりが、長引くぞ」
「がくぽさまぁ………っ」
どろりと蕩けた声でささやかれ、カイトはがくぽの首に腕を回した。
……………
……………………
……………………………
そして、数刻後。
「そういえば、カイト………そなた、なにをああも、慌てておったのだ?」
「え……?」
気怠い体を、がくぽに預けてぼんやりしていたカイトは、問いに記憶を漁る。
ややして、その目が泳いだ。
「……………………がくぽ、さま、に…………お客様、が………いらして……………っ」