「んゃあ…………っんん、ん………っ」
腕の中でカイトが甘い悲鳴を上げる。
力が抜けて立っていられない体を抱きしめて支え、がくぽはますます深く口づけた。
スキ×キス×スキ
「は、も………がくぽ………っ」
「ん」
「んん……っ」
わずかに離れた隙に連ねられようとした文句は、再びくちびるを塞ぐことで、封じる。
吸いついて咬みついて、舐め回して。
しつこくくり返された愛撫にカイトのくちびるは赤く腫れて、いっそう艶めかしい。
「ちょ、もぉ………っ」
「いやだ」
「がく………っ」
腕の中で、カイトの体が跳ねている。自分とキスしていることでそうなっていると思えば、ますます想いは募って、くちびるを離せなくなる。
「ん………んん………っん…………」
やがて、わずかに抵抗していた腕からも力が抜けて、かっくりと体が落ちる。
そうなってようやく、がくぽはくちびるを離した。
「は………はふ…………」
懸命に息を継ぐくちびるは、艶やかに腫れている。白い肌がうなじまで薄紅に染まって、匂い立つようだ。
カイトの体を抱えたまま器用に手を回し、がくぽは締められたネクタイに指を入れ、緩めた。きっちり閉じられたボタンも外し、襟を開く。
「こら、がくぽ………!」
「苦しいだろう?」
「ぁ、ふぁあっんっ」
嘯きながら首にくちびるを落とされる。震えて悲鳴を上げたカイトのくちびるは、再びがくぽに塞がれた。
「………あまり大きい声を上げるな。ひとが来る」
場所はどこだといえば、生徒会室隣の資料室だ。しかも生徒会室には、役員が勢揃いしている。
しらりと言うがくぽを、カイトは潤む瞳で睨みつけた。
「っていうか、そもそもね…………!俺は今、会議中で、その資料を取りに来たとこなんだけどっ!急ぎなんだけどっ!」
「俺は飽きた」
「この子はっ!もぉっ!!」
小さい声で叫び、カイトはがくぽの頬を両手でつねり上げた。
「どうしてくれんの?!かんっぺき、火ぃついたっ!このまんま戻るのなんて、ぜったい無理っ!がくぽがしてくれなきゃ、もう、なんにも考えらんない………!!」