「ん…………っ、んん……っ、ぁ、がく………がくぽ、せんせーっ」
「ん?」
互いに舌を吸い合い、絡めて牙を立てるキスの最中。
膝に乗せたカイトが、唐突にがくぽの髪を引っ張って、抵抗を見せた。
guilty kiss
わずかに顔をしかめてくちびるを離したがくぽに、カイトはすんと洟を啜る。
「も、もぉだめ………キスだめ、せんせぇ…………」
「…………ふぅん?だめなのか、カイト?どうして?」
「んん………っ」
拒絶の言葉に構わず、がくぽはカイトの頬をくちびるで食む。そのまま辿って、真っ赤に熟れた耳朶に。
びくりと竦んだカイトは、さらにがくぽの髪を引っ張った。
「こら」
「んっ、ゃ、だめ…………もぉだめなの、がくぽせんせ………キスだめ」
「……………だから、どうして」
膝の上で頽れかけている体を、がくぽは殊更に抱き寄せた。簡単には逃がさないと、言葉でなく伝えるように。
瞳を熱っぽく潤ませ、くすんくすんと洟を啜るカイトのほうは、さらにがくぽを突っぱねるようなことはなかった。
逆に髪から手を離して、胸元にきゅううっと縋りついてくる。
「…………カイト。どうしてだめだ?言ってご覧?」
自然とやわらかくなった声で訊いたがくぽに、カイトはぶるりと震えて顔を上げた。
「だ、って、もぉ…………俺、おなか、きゅうきゅうして………っんっ、きゅうきゅうして、くるしぃ………っ」
「……………ふぅん」
言いながら、カイトは『きゅうきゅうする』というお腹をがくぽにすり寄せる。
抱く手をさらりと落として腰を撫で、がくぽは瞳を細めて笑った。
「それは、『いやだ』じゃないね………?間違っているよ、カイト」
「ん、ぁ………っ、ぁ、ゃあ、せんせぇ………っ」
やわやわと体を撫で辿られて、カイトはがくぽの膝の上でびくびくと跳ねる。
「がくぽせんせぇ………っ」
甘くなにかを強請る声に微笑むと、がくぽはキスによって赤く腫れた教え子のくちびるに、再びくちびるを重ねた。
「ペケひとつだよ、カイト。………正しい答えが言えるまで、キスは終わらないからね?」