川渡考察電脳O2-TAKE2

前提

ラヴェンダーオラトリオパルスシグナルの4人が、川を渡ろうとしています。

  1. 条件1)ボートは2人乗りです(*註:必ず1名は漕ぎ手が乗らなければ、川は渡れません)
  2. 条件2)ボートを漕げるのはオラトリオだけです。
  3. 条件3)ラヴェンダーオラトリオがいないと、シグナルをしごきます。
  4. 条件4)シグナルオラトリオがいないと、パルスとケンカを始めます。

→以上を踏まえて、全員で無事に川を渡りきってください。発案By.オラクル

開始

オラトリオ:オラクル。おまえはうちの力関係っつーもんがわかってない。

オラクル:いきなり真顔………

オラトリオ:いいか、オラクルうちのきょうだいでもっとも強く、もっとも抑止力がありかつ、もっとも手に負えない暴走機関車が、姉さんだ!

オラクル:暴走しているのに、抑止力たりえるのか?

オラトリオ:反面教師

オラクル:ああ。………うん?

オラトリオ:もしくはすでに、制圧済

オラクル:……………

オラトリオ:という、姉さんをだ。俺に止められると俺に止めろってのか、オラクル!

オラクル:ええと………

オラトリオ:そのうえぴーちくぱーちくな弟どもの仲裁までしろとか、面倒くせえ。断る

オラクル:真顔で言うな。

オラトリオ:だが断る。

オラクル:まあ、な………私も、わかってはいるんだが。

オラトリオ:あん?

オラクル:いくら私が世間知らずで、ひとの関係に疎くても、音井ブランズだろおまえからもよく話を聞くし、言われた力関係くらいはきちんと理解している。

オラトリオ:してんのかほんとにそれでなんで、この条件だよ。

オラクル:初めに作ったときは、ラヴェンダーとおまえの立場が逆だったんだ。ラヴェンダーが全体の抑えで………

オラトリオ:だったらなんで、こんな改悪したんだよ?

オラクル:改悪………そこまで言うか。

オラトリオ:言うとも!

オラクル:……………作ったとき、たまたま……シグナルが遊びに来ていて。

オラトリオ:なに俺のいない間に、なんの用があって来てんだ、あの小僧。

オラクル:コードがいっしょだった。

オラトリオ:…………………<ORACLE>をなんだと思って。………って、改めて師匠に訊くだけ、無駄だぁな………『弟の家は俺様の家、俺様の家は俺様の家』とか、ふんぞり返って言われて終わるよな……。

オラクル:オラトリオ?

オラトリオ:いや、いい。続けろ。んで世間知らずタイプ2が、なんだって?

オラクル:世間知らずタイプ2?

オラトリオ:タイプ1→おまえ。タイプ2→俺の末の愚弟

オラクル:なんだか内訳を詳しく訊いたほうがいい気がするな、オラトリオ?

オラトリオ:気のせいだ。で愚弟がなんだと?

オラクル:気のせいか。そうか。ええと、それで、シグナルが………

オラトリオ:不憫だな、オラクル………不憫だぞ、タイプ1………!

オラクル:『力関係はそうかもしれないけど、ラヴェンダーだけに船を漕がせるなんて、だめだ』って。

オラトリオ:は?

オラクル:これだけ男がいるのに、女のひとだけに力仕事をさせるなんて、ダメだ』って。

オラトリオ:これだからタイプ2は!!

オラクル:言われたらまあ、そういうものかなって、私も思って。

オラトリオ:タイプ1が!!

オラクル:……………………なんだろう。なにか途轍もなく、オラトリオをお仕置きしたい。

オラトリオ:気のせいだ!

オラクル:そうか?

オラトリオ:気のせいだ!!つーか、シグナル………あんっだけ、姉さんのアレコレ見て、ソレコレされて、それでもまぁだ、んなこと言えんのか………。ある意味、逞しいな………さすがMIRA製最新ロボット。

オラクル:それはちょっと、違うんじゃ………

オラトリオ:それにだ。おまえら、なにを勘違いしているか、知らねえけどよなにも『手漕ぎボート』って限定する必要ねえよな、このゲーム。

オラクル:え?

オラトリオ:エンジン付きで労力不要のボートってのがな、世の中にゃあるんだよ、オラクル。まさかボートを『操縦』するのまで、力仕事ったあ、言わねえよな、オラクル?

オラクル:あ………!

オラトリオ:まったくこれだから、世間知らずを×2するとろくなことにならねえって言うんだ。……つうか、いっしょにいたのにツッコまなかったってことは、師匠も含めて、×3………………いやいやいや、まさかな………単に興味がないから、聞き飛ばしてただけだよな……………?

オラクル:むー……っ。また失敗か………いいところまでは行ったのに。

オラトリオ:ああ、あともうひとつ、言っておくけどな、オラクル姉さんがボートを操縦するってんなら、俺はなにがなんでもどうあっても、命懸けで乗船を拒否するから。結局不成立だぞ、それ。

オラクル:どうして?

オラトリオ:初めに言っただろうがよ。『姉さんは手に負えない暴走機関車』だって。

オラクル:うん。言ってたな。それがなんだって……

オラトリオ:ボートに乗ったって、おんなじなんだよ。比喩でもたとえでも例示でもなく、姉さんが操縦するボートに乗るなんざ、命がいくつあったって足りやしねえ。それこそMIRA製であったとしてもな!

オラクル:わあ………………真顔で言い切った…………………