とりあえず、総合して結論すると、カイトはプレゼントだ。

リボンでぐるぐる巻きにされて渡されたのだから、プレゼントだ。

プレゼントは開いて中身を見なければ――

リボン拘束着

「んっ、が、くぽ………っ、リボン………リボン、ほどいて……っ」

「痛むか?」

「い、たくない、けど…………っぁうっ」

リボンでぐるぐる巻きにされたままがくぽの部屋に連れ込まれたカイトは、一度畳に置かれた。がくぽは敷布団だけ出すと、そのうえにカイトを転がし、思うさま体を撫で回した。

連日のごとく触れられ、快楽を教え込まれている。

カイトは素直に体を跳ねさせたが、リボンで雁字搦めにされていて、自由に動けない。

しかもリボンは解かれることがなく、あくまでも布地の上からなぞられるだけだ。もどかしい。

「がくぽ………」

「ああ、尖っているな」

「んっゃ……っ」

笑いながら、がくぽが胸に舌を這わせる。けれどそれは、服の上からだ。くすぐったさは届くが、いつものように、ぬめる舌の感触も、唾液が塗られて冷えていく感触もない。

かり、と歯を立てられても、ひたすらにすべての感覚がもどかしい。

「がくぽ………っ」

「よくもこれだけ好き勝手に、縛り上げられたものだ」

がくぽはリボンのひとつをつまみ、軽く引っ張って笑う。

がくぽに入っている知識によれば、こういった「プレゼント」で使われるリボンというものは、着物などの帯にも似た、太めのリボン一本のはずだ。

しかしカイトは、普通の包装用の細いリボンを色とりどりに何本も使われ、複雑に縛り上げられている。

手で解いて自由にすることは面倒だ。ハサミで大雑把に切っていくのが、いちばん早いだろう。

こういう、思わず脱力して膝をつきかけるアイディアを思いつくのは妹たちだろうが、彼女たちの知識と意図がよくわからなくなる。

ごく普通に考えて、プレゼントされた「アタシ」は、リボンを解いて中身をご賞味することが、もっとも重要な目的のような気がするのだが。

「ぁ、がくぽ………っさわって、ちゃんと、さわって………っ」

「………………まあ、仕方ない。後できちんと弁償しよう」

「……がくぽ?」

リボンの中で身悶えるカイトを見ていたがくぽは、ひどくあっさりと頷いた。

一度立ち上がると、文机からハサミを出して持ってくる。安堵して見上げたカイトに、軽く刃を鳴らしてみせた。

「大人しうしていろよ傷つけたくない」

「ぅん………って、がくぽっ?!」

「大人しうしていろ」

「って、だって、がくぽ………っ」

カイトの傍らにしゃがみこんだがくぽは、躊躇いもなくハサミを閃かせる。しかし刃が当てられるのが、リボンではない。その下の、服だ。

「がくぽ………っ」

「ああ、こんなに勃ち上がって………服の上から舐められるので、興奮したか?」

「がく………っう」

胸の突起部分だけが覗くように布が切られ、肌が露わにされる。そこには赤く色づく突起があり、がくぽが言う通りに、つぷんと勃ち上がっていた。

がくぽはさらに躊躇うことなく、服の適当なところに切りこみを入れていく。しかし決して、リボンは切らない。

「ゃ、なんで………っ」

身じろいで隠そうとした足も広げられ、性器の部分だけが切り開かれて、中身がべろりと露わにされた。

ある意味で、裸になってしまうより、ずっと恥ずかしい。

「がくぽ……っ」

「愛らしいな…」

「ぅそぉ………っ」

真顔で吐かれ、カイトは涙目で体を捩った。

手も足も自由にならない。痛いと悲鳴を上げるほどきつく縛り上げられたわけではないが、身悶えたいときに身悶えられないと、辛い。

「がくぽ………っぁ、やぁ………っ」

切り開いた場所から取り出した性器に、がくぽは口を付ける。ぬめる感触を直に感じて、カイトは仰け反った。

いつも身悶えているが、その重要性がこうなって初めてわかった。そうやって快楽を逃がしてやれないと、体に熱が募るのが早い。

縛られて不自由な体ではうまく熱を逃がせず、カイトはいくらも経たないうちに精を吐き出していた。

「ん………っぁあ………っ」

迸るものを、がくぽはすべて口に受け止める。

最後の最後まで丁寧に啜り取ると、がくぽはカイトの体をひっくり返した。切り開いたズボンから突き出た双丘に、顔を埋める。

「がくぽ……っ」

ぴちゃりと音を立てて、がくぽは窄まりを舐めた。自由にならないなりに懸命に逃げようとする足を掴んで押さえ、襞に舌を突っこみ、掻き混ぜして、そこを味わう。

「ん、ぉねが………っも、ほどいて………っ」

「プレゼントなのだから、好きに味わわせろ」

「……っ」

楽しげに言われて、カイトはびくりと引きつる。

確かにプレゼントだが。

「だったらなおさら、リボンほどいて、『中身』をちゃんと取り出してよぉ……っ」

涙声のおねだりに、がくぽは顔を上げ、くちびるを舐めた。

舌で舐めほぐした場所に指を宛がい、探る。

濡れた音を立てて指は窄まりに入りこみ、カイトは呻いて布団に顔を押しつけた。

「………包装を解いてすべて露わにするのもいいが、こうやって少しばかり開いて、覗いてみるのも愉しいだろう。………今回の場合、開こうが開くまいが、贈り物は最上のものだとわかりきっておるしな」

「…っ」

「であればこの際、そういうときにしか出来ない贈り物の愉しみ方を、してみたい」

「た……っのしみって、っぁうっ」

瞳を見開いたカイトは、すぐに眉をひそめると、体を捩らせた。

がくぽの指の感触なら、体がすっかり覚えている。指が入ったあとに来るものの、熱も質量も。

舐め解されただけでも疼く場所が、指によって掻き回される。いやでも募るのが期待で、カイトはがくがくと震えた。

「がくぽ……っ」

「そろそろいいか…」

甘く呼ばれて、がくぽはくちびるを舐める。

縛り上げられてあまり足が開かないカイトを抱き上げると、後ろ向きのまま、膝の上に乗せた。

「が、くぽ?」

「抱きしめていてやる。お主はただ、揺られていろ」

「え………っん、ゃあっ」

不安そうに振り仰いだカイトに笑うと、がくぽは前を緩め、自分のものを取り出した。慎重にカイトに宛がい、器用に押しこんでいく。

「ゃ、ぁ、あああ……っ」

カイトは仰け反り、頭を振った。

がくぽの上に乗っている。いつもより深く抉られるうえに、自由にならない体はうまく快楽を逃がせない。

過ぎる感覚に強張る体は、いつも以上にがくぽを締め上げてしまう。結果的に、再び感覚が募る。

「食い千切られそうだな……」

「ゃ、ふ、ぁあっ、うごかな、で………っふかぃ………っぁ、うごかな………っ」

惑乱して泣くカイトに、がくぽはしばらく付き合って大人しくしていた。

そうしている間にも、快楽を逃がせない体がぎゅうぎゅうに締めつけて来て、その感触だけで達しそうな気もする。

「…」

「ゃ、だめ………っだめ、がくぽ………っぁ、んんっ、ぅごいたら、イっちゃう………イっちゃうぅ……っ」

ややしてそろりと腰を突き上げたがくぽに、カイトは大げさなほどにびくびくと震えた。がくぽを包む場所がきゅうっと締まり、絞り上げるように蠢く。

「………堪えきれん」

「ゃ、だめ……っ」

ぼそりと耳元でつぶやかれ、カイトは震えた。

がくぽの手がカイトの腰をがっしりと掴み、激しい抽送がくり返される。

「ぁ、ぁあっ、ん、ゃあ………っイっちゃぅ………っイっちゃ…………ぁあっ、だめぇ………っ」

「っ」

数回突いたところで、カイトが一際大きく仰け反り、びくびくと体を震わせた。

締めつけがきつくなり、粘膜が激しく蠢く。手を回すと、カイトの性器は新たに吐き出したものでぐっしょりと濡れていた。

がくぽはくちびるを噛んで堪えると、再び突き上げ始めた。

「ゃ、がくぽ………っがくぽぉ……っ、イっちゃう……また、イっちゃう……っ」

びくびく震えるカイトの体をわずかに捩らせ、がくぽは胸へと舌を伸ばした。切り開いた場所から覗く、つぷんと勃ち上がった突起に吸い付く。

「ん、ぁ………っあ、がくぽ……っ」

カイトは震えて、縛られたままの手と足をもぞつかせた。なんとか自由に出来ないかと悶えてみるが、どうにもならない。

そのうちに、がくぽのもう片方の手が胸に回り、くちびるをつけたのとは反対の胸の突起をつまんだ。

こねくり回されても爪を立てることも出来ず、カイトはひたすらにがくぽのものを締め上げた。

「は……っ」

胸からくちびるを離したがくぽが、耳元で小さく笑う。

「カイト……いい………」

「ぁあぅ………っ」

低くつぶやかれた言葉に、カイトはぼろりと涙をこぼし、痙攣した。そこに、がくぽの熱が吐き出されるのを感じる。

安堵感に頽れるカイトの頤を掴んで振り返らせると、がくぽは咬みつくようにキスをした。

腹の中で、果てたものが見る間に力を取り戻す。

くちびるを塞がれて声も上げられず、カイトはただ、腹をきゅうっと絞めた。