Boys be…
ぶるぶるぶると震えながらも、がくたんは懸命に強気な姿勢を保ち、膝に抱いてくれるカイトを見た。
「か、かいちょ…………!せっしゃは、おばけなろ、こわくないが………っ、じぇ、じぇんじぇん、こわくないが…………っっ」
「うん」
同い年の子供の中では、抜きん出て滑舌のいいがくたんだというのに、噛みまくっている。
そこでもう、言葉の嘘さ加減というか、虚勢が窺えるのだが、カイトはそこを指摘したりはしなかった。
やさしく微笑んで、懸命に虚勢を張るがくたんの言葉を待つ。
「か、かいちょは、こわいでごじゃろう?ら、らから、今日はせっしゃが、いっしょのおふちょんで、寝てやるでごじゃるっっ!!」
「……っぅ」
それでも堪えきれず、カイトはぷくっと吹き出しかけて、慌ててそっぽを向いた。
ややして、震えながらもどうにかこうにか笑いを治めたカイトは、青い顔のがくたんにちょこりと首を傾げてみせた。
「うん………うん。がくたん、お願い。カイトはおばけ、こわいこわいだから、いっしょのお布団で寝てくれる?カイトとだっこだっこで、ねんねしてくれる?」
「ぉ、………おう!」
やさしく言われて、がくたんはぱっと顔を輝かせた。強張っていた体からわずかに力が抜けて、カイトにぎゅっと抱きつく。
「せっしゃが、ぎゅっとしていてやるでごじゃる!かいちょはなんにもこわがらなくて、いいでごじゃる!!」
「っもぉ、ほんとかわいい………っっ」
「ぬぬ………?!」
堪えきれず、カイトは笑い崩れると、がくたんをぎゅうっと抱きしめた。