白い肌があらわになる。

吸い過ぎて赤く熟れたくちびるが、笑みを形作ってささやいた。

――いれて、がくぽ………

「……」

ぱち、と瞳を開いたがくぽは、しばらく布団の中でじっとして、動かなかった。

しかし現実は変わらない。

「どういうことだ………!!」

夢の切っ先

「ちょ、ちょっと、がくぽっがっこー……がっこー、あっち、………逆方向……ってか、いた、…痛いっ!」

悲鳴を上げるカイトを無視し、がくぽはずんずんと進む。その手に捻り上げるように、カイトの腕を掴んだまま。

痛い。

そして、逆方向だ――学校と。

朝、いつも通りにカイトを迎えに来たがくぽは、あからさまに不機嫌だった。

「おは……………どしたの、がくぽ………歯でも痛い………?」

「…っ」

恐る恐ると顔を覗きこんできたカイトを、射殺しそうな目で見て――

いきなり腕を掴むと、ずんずんと。

「……って、がくぽっ?!」

そうやって不機嫌極まりないがくぽがカイトを連れ込んだのは、セキュリティの甘さで一部の『子供』に人気のラブホテルだった。

朝で、学生服で、さらに男同士でしけこもうが、咎められることも止められることもない。

慣れた様子で迷いもなくずかずかと進んだがくぽは、部屋に入るやカイトをベッドに放り投げた。

場所への不慣れさと、がくぽの不機嫌の理由が思い当たらず、カイトは珍しくも身を竦ませてベッドに転がる。

がくぽはカイトに伸し掛かると、まずは自分のネクタイを抜き、シャツのボタンを外した。

「がくぽ……!」

朝だ。

そして、平日。

嘆願するようなカイトを、がくぽは睨み下ろした。

「夢精した」

「………は?」

きょとんと瞳を見張るカイトに、がくぽはきりきりと顔を歪めた。

「足りていないから、夢精などするのだ!!」

叫ぶと、がくぽは強引にカイトのネクタイを解き、シャツを開く。

あえかな抵抗を試みながら、カイトは叫んだ。

「足りてないわけないでしょ?!あれだけやっておいて!!!」